こころとからだクリニック福井 ブログ

うつ病について

20171106

かねてから、疾患についての説明をしていきますといって、やるやる詐欺だったわけですが。

うつ病についての解説文はつくっていたのですが、近々ホームページのリニューアルに合わせてのupが望ましいとのこと。

でもそれまでの期間、せっかく作った文章が日の目をみないのもなんだなあと。

まあ、私がホームページ内の文章を作るのが遅いのが全て悪いのではありますが。

ということで、(←どういうことだ)近々リニューアルするホームページでは、もうちょっとわかりやすく掲載するつもりなのですが、一足早くうつ病について作った説明文を掲載します。

グーグル先生に怒られないよう、別のページに載せた場合は、このブログからは削除する予定です。

 

___________________________

○うつ病:気分が沈む、楽しめない

●うつ病はどんな病気?

うつ病とは気分の落ち込みや何も楽しめない状態が長く続き、普段通りの生活ができなくなる病気です。

脳がいつもどおりに働かなくなるため、何もうまくいかない、誰も助けてくれない、と物事を悪く感じやすくなります。

仕事や家事など普段はできていたことができなくなると、そのこと自体が更にストレスになります。

また、くよくよと考え込んで眠れなくなると体や脳が休まらず、更にストレスを感じやすくなります。

このように、悪い状態がさらに悪い状態を呼ぶ悪循環となり、最悪の場合、命に関わることもある重大な病気です。

 

●どうなったらうつ病と診断されるの?自分がうつ病かどうかをチェック!

 うつ病の診断基準を、できるだけ専門用語を使わずにわかりやすく説明します。 

DSM-5という、精神科の病気の診断によく使われる診断基準をもとにしています。

 

① 悲しい気持ちで気分が落ち込み、心がからっぽになり、何の希望ももてなくなる。

② もともと楽しめていたことも含め、何をやっても全く面白くなく、どうでもよくなる。

 

うつ病と診断されるためには、少なくともこの①か②が2週間以上、ほとんど毎日、1日中続いている必要があります。

更に、

 

③ 特別な治療をしていないのに、体重が1ヶ月で5%(体重50kgの人なら2.5kg)以上変化する。または、食欲が全然ないか、異常に食欲がある。

④ 全然眠れないか、異常に長い時間眠ってしまう。

⑤ 他の人から見て、普段よりも動きがゆっくりだったり、止まっていたりする。または、焦ったように動き続ける。

⑥ ひどく疲れて、元気がない。

⑦ 自分は何の役にもたたないと思ったり、自分がひどく悪いことをしたと思う。

⑧ 集中力がなくて何も考えられず、簡単なことでも何も決めることができない。

⑨ いっそ消えてしまいたい、死んでしまいたい、と何度も頭によぎったり、死ぬための方法を具体的に考えたり、実際に死んでしまうような行動をする。

 

これらの①から⑨のうち、全部で合計5つ以上が2週間以上、ほとんど毎日、1日中続いて、生活に支障がでたときにうつ病と診断されます。ただし、他の病気や薬などが原因ではないことを確認する必要があります。

上記の説明はわかりやすさを優先したため、厳密な診断基準とは少し異なります。診断基準は専門家が利用してはじめて意味があるものです。参考にしていただければとは思いますが、ご自分だけで判断せず、心配があれば必ず精神科・心療内科・メンタルクリニックを受診して下さい。

ほとんど同じような質問ですが、うつ病を診断するためにもう少し簡単な質問方法もあります。全て、「はい」か「いいえ」で答えて下さい。

 

簡便なうつ病の構造化面接法(BSID)

A1この2週間以上、毎日のように、ほとんど1日中ずっと憂うつであったり沈んだ気持ちでいましたか?

A2この2週間以上、ほとんどのことに興味がなくなっていたり、大抵いつもなら楽しめていたことが楽しめなくなっていましたか?

 

A1またはA2のどちらかが「はい」であるである場合下記の質問にすすむ

この2週間以上、憂うつであったり、ほとんどのことに興味がなくなっていた場合、あなたは:

 

A3毎晩のように、睡眠に問題(たとえば、寝つきが悪い、真夜中に目が覚める、朝早く目覚める、寝過ぎてしまうなど)がありましたか?

A4毎日のように、自分に価値がないと感じたり、または罪の意識を感じたりしましたか?

A5毎日のように、集中したり決断することが難しいと感じましたか?

 

A1とA2のどちらかが「はい」で、A1~A5の回答のうち少なくとも3つ以上「はい」がある場合、うつ病の疑いあり、となります。

この質問法を使った場合、うつ病の人を正しくうつ病だと診断できる割合は86%、うつ病ではない人を正しくうつ病ではない、と判定できる割合は77%です。

 

出典:廣尚典.厚生労働科学研究費補助金労働安全衛生総合研究事業「労働者の自殺リスク評価と対応に関する研究」平成15年度総括・分担研究報告書,2004,pp.75-85.

 

●うつ病はどうやったら良くなるの?どんな治療をするの?

うつ病かもしれない、と思ったら、まずは必ず精神科や心療内科、メンタルクリニックを受診して下さい。

そしてうつ病と診断されたら、うつ病という病気を正しく知って治療をする必要があります。とはいえ、うつ病によって脳の働きが弱っている時には、新しいことを覚えたり理解することが難しくなります。

そのため、まずは周囲の方、ご家族にも手伝ってもらうのが大事です。そしてストレスを取り除き、十分にこころとからだを休める必要があります。

 

治療は基本的には精神療法と薬物療法の組み合わせになります。

 

・精神療法

精神療法では、うつ病になるきっかけとなったストレス、不安、悩みについてお話を伺い、理解したうえでご本人のサポートをする支持的精神療法を中心とします。

お話がしやすようにお手伝いをしながら、一緒に問題点を整理します。また、環境を整えるためのアドバイスや、うつ病についてのレクチャーも行います。

うつ病につながったものの見方、考え方のクセや思い込み、悪い行動パターンを認知行動療法によって見直すことで、ストレスを受け流し、再発を防ぐこともできます。

 

・薬物療法

薬物療法は抗うつ薬を中心に、症状にあわせて抗不安薬や睡眠薬も一緒に使うことがあります。抗うつ薬は効果がでてくるまでに2~3週間かかるため、初めから抗不安薬を一緒に使った方が症状が楽になるからです。  

ただし、軽症のうつ病の場合は、抗うつ薬を使っても偽の薬を使っても効果に差が無かった、とする研究結果もあります。

主治医と相談の上で、最初は薬を使わずに休養のみで様子をみることもあります。

また、当クリニックでは漢方薬も積極的に利用しています。お薬については主治医にお気軽にご相談いただければと思います。

 

 抗うつ薬を飲み始めた場合、再発を防ぐために最低でも6ヶ月、できれば9ヶ月から1年近くは飲んでいただきます。症状が改善すれば、お薬をゆっくり減らしてゼロにしていくことも可能です。

 

・その他の治療

最近では、rTMSという機械を使って脳に電流を流す治療にも注目が集まっていますが、まだ保険適応はなく研究段階とされています。特別な機械で強い光を1-2時間あびることでうつ病を改善する高照度光療法、という治療もあります。季節性に気分が落ち込むうつ病に特に効果があると言われています。 

 

・うつ病の治療にはどれくらい時間がかかるの?

・うつ病になるのは性格のせいなの?うつ病は甘え?

・うつ病は遺伝するの?

・うつ病の治療には抗うつ剤はのまないとだめ?

・うつ病と言われたけど仕事は休みたくない・・

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